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ここをチェック!ジャカルタでのアパート探し  by  A.K.I

2016/02/16 10:00

ここをチェック!ジャカルタでのアパート探し
By A.K.I



 どういったいきさつでジャカルタ暮らしを始めるか、その経緯や背景は人ぞれぞれなので選ぶ住居形態もアパートだったりコスだったり、単身用またはファミリータイプとさまざまな選択肢がありますが、どのようなケースにおいても、異国で住居を探すにあたり少なからず戸惑いを感じることがあると思います。少しでも状況を知っておけば不安も軽減。日系企業からの赴任者に多い外国人向けアパートを検討する場合を例に、日本での住居探しとは少々異なるジャカルタでの住居探しならではのチェックポイントを、立地面と居住スペースにフォーカスしてご紹介します。

1.南向きの必要は無し



 日本では、部屋の間取りは日当たりの良い南向きが人気ですが、南半球の赤道と南回帰線の間に位置するジャカルタでは事情が違います。時期によって角度は多少変わるものの太陽の軌道は年中ほぼ真上。とにかくひたすら暑い常夏の国なので、日当たりの良さという発想自体が不要な地域です。スモッグなのか湿度なのか朝夕の太陽は霞んでいることが多いので、西日というのも日本で感じるほど強くありません。よって、風水などのこだわりが無い限りは、日本のように日当たりを考えての部屋の向きについてのこだわりは不要と言ってよいでしょう。

2.響き渡る祈りの声



  部屋の向きを気にするとすれば、街中に意外と墓地が多いので窓からの光景がどうであるかという点と、それ以上に気にしたいのは1日5回のムスリムのお祈りの際に各モスクからスピーカーで拡散される祈りアザーンの音量です。一日の始まりのお祈りは日の出前の朝4時半頃。断食月には日の出前の食事の準備を促すアザーンが夜中2時頃から賑やかに流れだします。ムスリムにとっては大切なお祈りですが、異教徒にとっては実際のところやや睡眠の妨げと感じられなくもありません。
 至る所にモスクが存在するジャカルタの街の中で、完全にこの声から逃れることは不可能ですが、すぐ目の前にモスクがあるような部屋や、モスクが密集している集落の近くではかなりの大音響なので、可能であればお祈りの時間帯に下見に行き、聞こえてくる音量がどの程度であるか確認するのがお勧めです。どうしても気になる場合には、防音ガラス設置などの交渉もしてみる価値ありです(工事費用は負担必要となる可能性有り)。

3.周辺の交通状況は要確認



 ジャカルタの都市問題として上位に位置する道路の大渋滞。通勤ラッシュ時にはどこに行っても避けようがありませんが、一見生活に便利に思える主要道路沿いや大きなモールのある沿線は利用者が多いだけに慢性的に渋滞が特にひどく、どこへ行くにも車移動のジャカルタではかえってストレスの原因となるかもしれません。交通量が多いところはそれだけ車やバイクの排気量もすごいので、それらエリアではジャカルタ市内でも特に大気汚染状態がひどいようにも感じられます。
 市内の目ぬき通りJl.M.H.Thamrin~Jl.Jend.Sudirmanは平日の通勤ラッシュ時(7:00-10:00、16:30-19:00)には車両制限のため Three in One(3人以上乗っていない車は通れない)という規制が実施されています。運転手含め2人だけの乗車である場合、ジョッキー(人数合わせを仕事として路上に待機している人々)を乗せるか、規制のない他の道へ迂回するしかありません。またこの区間は毎週日曜日午前中(6:00-11:00)はCar Free Day として歩行者天国になり車両通行止めです。
 ジャカルタ市内に住み郊外の工業団地へ毎朝出勤する場合には、高速道路乗り口までの行きやすさも重要でしょう。就学中のお子様がいらっしゃる場合には、送り迎えや通学バスのルートなど、日本以上に車社会であることを念頭に、生活スタイルを考慮した住宅の立地場所の確認が重要です。
 なお、日本で言うところの”駅近”というのは、利用できる公共機関がそもそも少ないのと、治安上公共の乗物の使用を禁止されている企業もあるとのことなので、特に条件として挙げる必要はなさそうですが、あえて言うならトランス・ジャカルタの停留所が近くにあると時には重宝します。

4.潜むテロの脅威



 先月のジャカルタ市内でのテロ事件発生に際して注意喚起された事項の中に、テロの標的となる可能性のある場所にはなるべく近寄らないということがありますが、その一例として不特定多数の人が集まるモールや政府機関、各国の大使館なども挙げられています。
 テロがいつどこで起こるか誰にも予測は不可能ですが、可能性はこの先もゼロではないので、生活の便利さだけでは無く広い意味での安全性という点も視野に入れて、大規模なモール、外資系のホテル、各国大使館の場所なども確認はしておくと、いざという時の判断材料にもなるかと思います。

5.日常的に利用する施設を重視



 至る所にあるモールにはなにかしらスーパーが入っているものの、やはり日本食材スーパーPAPAYAを利用する頻度が高い日本人は多いと思います。渋滞に巻き込まれると、毎日の生活に欠かせない食材の買い物だけでもぐったり疲れてしまうので、歩いてでも行けるような場所にあると大変便利ですが、車ですぐに行ける距離又は出掛けた帰りに寄りやすいルートにあるなど利用しやすい位置にあると生活上のメリットは高いです。ご参考までPAPAYA FRESH GALLERY のジャカルタ市内店舗所在地を記載しておきます。
BLOK M 店
   Jl.Melawai Raya No.28 Kebayoran baru, Jakarta Selatan 12160
BUMIMAS 店
   Jl.Tarogong Raya No.18 Cilandak Barat, Jakarta Selatan 12430
CITY WALK 店
   Gd.City Walk Sudirman unit GF #09
   Jl. K. H. Mas Mansyur No.121 Tanah Abang Jakarta Pusat 10220
1PARK EXPRESS 店
   1Park Residences Unit4LT. GF
   Jl. KH. M. Syafi'i Hadzami No.1
   Kramat Pela, Kebayoran Baru, Jakarta Selatan 12130

 その他、人それぞれ優先度・必要性はさまざまだとは思いますが、日本語対応をしている病院や語学学校など、生活していくに当たり利用頻度が高いと考えられる施設を住居選びにおいて予め考慮しておくと、生活しやすさがアップします。

6.使い勝手をチェック



 立地条件も大事ですが、実際の居住スペースの状況ももちろん重要。親切設計の日本に慣れていると、理解に困る設計にもしばしば出くわします。電気のスイッチがどうしてそんなところに?改装でもしたのかこんなところに段差?というのはどうしようもないとして、たとえば、身体をひねらないと届かない位置にあるトイレットペーパーホルダーや、立てつけが悪くて閉まらないドアなど、実際の生活シーンを思い浮かべ不具合と思われる部分が無いか、小さなことでも毎日の生活の中で積み重なるとストレスにもなりますので、下見の際には十分に確認していきましょう。
 窓はハメ殺しになっていて開かないところも結構あります。暑いのでエアコンをつけっぱなし、窓を開けると空気が汚く床がすぐに真っ黒、モスクからの大音量の声が、等という事情もあり実質窓があってもあまり開けなかったりもしますが、ベランダの有無も含めそこは個人のお好みで。



 なお、日本人になじみが無いのがメイド部屋。かつては外国人の家にはメイドが住み込みでというケースが多かったようですが、現在はメイドを雇う場合でも大半は通いのようですので、メイドがムスリムであればお祈りや休憩のためのスペース、もしくはアイロンがけなどを行うスペースとなっていたりします。メイド部屋としての役割が必要ない場合には、スーツケースやゴルフバッグの置き場にするなど、居住空間のスペースの一部として活用すればよいでしょう。なお、メイド部屋用に裏口がある設計の住居もあるので、セキュリティーも含め確認しておきましょう。

7.必要なものは事前に交渉



 ジャカルタのアパートは、冷蔵庫や洗濯機、テレビ、エアコンなどの大型家電や、ベッド、ダイニングテーブル、ソファーセット、棚など家具付きでのレンタルです。内装やそれら備品はオーナーの趣味とセンスによるので、同じ建物内でも部屋によって雰囲気もカラーも全く異なります。
 家電は実際に動かしてみて不具合が有ればその場で交換を交渉。必要と思われる大型備品が不足している場合にも付けてもらえるかまずは交渉です。契約後に言っても時すでに遅しですので、必要と思われるものは下見や契約の時点でリストアップしておき確認するのが良いでしょう。余談ですが、前居住者によって冷蔵庫にキムチ臭が染みついてしまっていたので交換してもらったという話もあるので、匂いなども気になる方はチェックしてみてください。
 キッチン関連では、シンクの広さ、コンロの口数、ガス(プロパンガスです)か電気か、浄水器の設置が可能かなど、これらも事前交渉の余地ありですが「全体的に工事をしないとだめなので不可」「退出時に現状復帰してくれるのなら可」などいろいろな返答がありえます。
 お風呂場は、基本的には西洋スタイルでトイレ併設のシャワーのみのところが多いです。バスタブが設置されているところは稀ですが、これも入居前に要望をすれば設置を検討してくれる場合もあります(こちらも工事費用は要負担となる可能性有り)。

8.建物内施設もチェック





 大規模なアパートであれば、ジムやプールなどのスポーツ施設が入っているところがほとんどです。車移動が主となる生活スタイルで運動不足になりがちなので、気になるようであれば部屋の下見の際にそれら施設の案内も依頼されると良いでしょう。設置されている機器の種類や数の豊富さ、スタジオ併設でヨガなどのプログラムが組まれているなど充実度はアパートによってさまざまです。

9.新築は恐い?



 綺麗だし気持ちがいい!とつい新築物件があると飛びついてしまいそうですが、新築物件は水回りのトラブルなど発生確率が高い模様です。日本のようにアフターサービスが行き届いているとも思えないので、人が住んで一通りの不具合が改善された住居の方が快適に暮らせる可能性が高いとも言えます。また、モール始めインドネシアの建物で良く見られる、完成した一角だけが先行オープンして貸し出しが始まっているような状態では、工事の作業員や不特定多数の人々がまだまだ出入りするのでセキュリティー上やや不安が感じられます。築年数があまりにも経っている建物も、破損などの外観上の問題だけでなく配管のサビなど衛生的に気になる部分も出てきてしまいますが、新築物件も上記事情により要注意です。

<まとめ>
 以上、日本での住居探しとは少々異なる側面を感じていただけたでしょうか。土地勘もない段階では、実際に生活してみないと良く分からない部分もたくさんあるかとは思いますが、日常生活の基盤となる住居。時間が許せば根気よく複数の物件に実際に足を運んで周囲の環境も含め確認することをお勧めします。少しでも住み心地の良い住居探しの参考になれば幸いです。

 

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