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君子危うきに近寄らず~#2 何を信じていいのやら 編~ by A.K.I 2015/11/27 17:00 |
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君子危うきに近寄らず~#2 何を信じていいのやら 編~ by A.K.I 君子危うきに近寄らず~#1 身近に火の手 編~では、“火”に関する災害について、身近な火災から自然災害まで多岐にわたるトピックスをお伝えしましたが、広がりすぎた話題を再び身近なところへ戻し、火事以外で、ジャカルタでの日常生活上起こりうる、リアルに危機感を感じる出来事を引き続きピックアップしてみます。 4.頻繁に行われるデモ 「なんだか今日は、いつも以上に渋滞がひどい気がする」とちっとも進まない車中で疲労感を感じていたら、その先の道路がデモでふさがっていたということがありました。暴徒化する恐れもあるデモにはなるべく近づかない、見かけたらすぐにその場を離れる、など安全確保が最優先事項。できるだけデモに遭遇しない様に、事前に情報収集できるとベストですが、把握されている大規模なものから、情報にはあがっていない数十人規模のものまで、毎日のように何かしらのデモが行われているのを見聞きします。 多くは労働問題に関するもので、大統領宮殿イスタナはじめ、政府関係機関周辺道路が人々で埋め尽くされる様子がよく報道されています。中国で起きた反日デモのように、ダイレクトに日本人が標的のデモではないとはいえ、裕福な生活をしている部類に入る外国人に矛先が向かないとも限りません。 インドネシアに滞在中は、在留届等在インドネシア日本国大使館に登録をしていると、大規模デモが予定されている前日には、そのエリアに近づかないようにとの注意喚起のメールが大使館からありますので、在留の登録(短期滞在者用にも‘たびレジ’というのがあります。)をし、できるかぎりの情報は入手しましょう。デモが予定されているエリア付近へ行く予定がある場合には、キャンセルや延期をするなど、不要な危険には極力近づかないのが賢明です。 5.過信に注意!セキュリティーシステム 大型のモールなど、多くの人々(主に外国人)が訪れる場所に入る時には、飛行機搭乗時のX線検査の簡易版的なゲートを通ります。荷物も別で通します。あまりにもあっさりとしたパスで、形式だけのようにも感じられ、何をチェックしているのやらと少々疑問に思わなくもないのですが、荷物を渡すことを躊躇したりという挙動をチェックしているのでしょうか? これら施設に車で乗り付けた場合には、過去の爆弾テロ事件発生からの教訓か、ゲート前で車を一旦止められ、ミラーの付いた金属製のポールを持ったガードマンが、車体底に爆発物がないかのチェックと、ドアやトランクを開けて車内の確認をします。高級なホテルでは麻薬犬もスタンバイしています。 また、外国人向けのアパートでは、カードキーが必要なオートロック式玄関や、ホテルでもカードキーがないと行き先階のボタンを押せないエレベーターが一般的です。これだけ見ると、かなり物々しく厳重警備のような雰囲気ですが、裏を返すと、そのくらいしないと安全ではない状況なのだとも言えるでしょう。 これだけ警備がなされていても、セキュリティーがしっかりしていて安心と言われている、日本人も多く住む高級アパートで、住人の安全を守るべきガードマンが犯行におよび日本人女性が殺害された痛ましい事件は、まだまだ記憶に新しい出来事です。 何を信じていいのやら、いくらセキュリティーシステムがしっかりしていても、絶対的な安全というものは無いと言っても過言ではありません。細心の注意を払っていても巧妙に仕組まれた犯人の手口により被害を避けられないケースもあり得ますが、基本的には、自分の身は自分で守る。世界中どこにいても言えることではありますが、環境や言葉、生活習慣の違いから何もかもが目新しく見え、異変を察知しづらい外国では、特に身に沁みる言葉です。 6.止まらないことを祈りつつ乗るエレベーター エレベーターがよく止まります。例えば、アパートにある4基のエレベーターが、だいたい常時1,2台は止まっています。2台しか動いてないと思うか、まだ2台動いていると捉えるかは人それぞれですが、誰に聞いてもどのアパートでも普通にあるとのお答え。さらには、階のフロアきっちりに止まらず、扉が開いた際フロアと段差があることがあるなんて話も聞きます。 モールのエスカレーターもよく止まっています。そして、止まっているからといって、ロープを張り使用中止にするといった措置はなされず、みな普通に、止まっているエスカレーターを歩いて昇り降りしています。用途・形状からすると階段的に乗降が可能なので、インドネシア流に言うとTidak apa apa ! (問題無い!)かもしれませんが、実際歩いて昇ってみると、動いているべきのものが動いていないというのは、相当な違和感を感じます。 故障した際、日本のようにすぐには修理・復旧はされません。乗っている時に停まってしまったら、と考えると、緊急応答用のボタンもついているとはいえ、これまた言葉の壁が気になるところ。停まってしまうだけならまだしも、9月末には、外国人が多数住むジャカルタ市内のアパートでエレベーター落下事故がありました。中に載っていた9人の外国人が負傷。日本でも起こり得ることとはいえ、ここでは、遭遇率が間違いなく高いです。 7.接触事故は日常茶飯事 車の後部座席に乗車していて、「今、なんかコツン!と鳴った気がするけど?」ということが時々あります。渋滞がひどいことがまず一因ではありますが、車、よくぶつけられます。 次々と押し寄せてくる車に、割り込まれない様に我先にとでもいった感じに、どの車両も車間距離をあまりとらずに走行しているので、追突事故も多いようですが、ぎりぎりの隙間を通り抜けようとするバイクや、Uターンで合流してきた車のミラー等、ちょっと距離を読み誤ったかと思われる接触は日常茶飯事。 先日、曲がってきた車が軽く当たったと思ったら、運転手が窓をあけて何か相手に言っていましたが、万が一交通事故等に遭遇した際には、対応は運転手に任せて、外国人である我々が直接かかわることは避けましょう。 急ブレーキをかける車も多いので、後ろから来た車に衝突され鞭打ちになったという話も良く聞きますので、乗車時には、後部座席でも近距離や一般道でもシートベルトは必須。それでなくても、道のよくないところもまだまだ多いので、おのずとシートベルトに手が伸びることでしょう。 なお、もし徒歩で道路を横断する場合、信号機のあるところにはたいてい交通整備員がいて迫りくる車やバイクを止めてくれますが、信号機自体が稀で、ほとんどの場合横断歩道が描かれているだけです。そのような横断歩道では、人が渡ろうとしているからといって、車が率先して止まってくれることはまずありません。車が途切れるのを待つか、慣れている現地の人の後をついて急いで渡るなど、日本とは違う車優先の道路事情であることを念頭に、十分に用心してすばやく渡ってください。 8.多発しているパンク強盗 最近、話題になっているのは、駐車場や道路上に釘を撒いてタイヤをパンクさせ、確認・修理のために停車して車から人々が降りているところを狙って、車内の物品を盗むという車上荒らしの手口。 事前に周囲の様子が確認でき、パンクを避けられれば良いですが、万が一パンクに気づき停車させる場合には、ホテルやモールなどできるだけ安全な場所まで行ってから。やむを得ずその場での停車・修理が必要な場合には、車の窓は閉めドアはロックするようにといった通達も出されています。 そんな手口が広まっているのかと気になっていたら、その反面、この手の強盗対策にと磁石を引きずって通りを歩き回り、釘の回収を行っているという現地の男性が新聞に紹介されていて、こういう方もいるのだということを知ると、なんだかほっとします。 なお、どうしても車から降りなければならない場合には、駐車場や歩道側のドアであっても隙あらばとバイクが突進してくる可能性がありますので、周囲の交通状況にも要注意です。 9.タクシー客を狙う警官 インドネシアでは、外国人在留者はパスポートやKITAS(一時滞在許可)の常時携帯が義務付けられていますが、夜間や早朝の人通りの少ない時間帯のタクシー乗車時に、警官の検問にあい、求められたパスポートやKITASなどのIDを提示しても、追加書類の提示要求他、何らかの理由をつけて違法であるとして高額の罰金を要求されるという被害も多発しているもようです。 ルバラン休暇前に帰省のお金欲しさに、警官が何かしらの理由をつけて罰金を取り立てていくケースが増加していたというのも実際の話ですが、恐喝まがいの要求をするのは偽装警官である可能性も高く、もしそうであった場合は強盗と同様、刃物や銃器を持ち出す可能性もあるため、遭遇してしまったら安全最優先で要求に従うほかないようです。 よって、遭遇確立を減らすことが重要。早朝や夜間に空港へ向かうようなケースでは特に、可能な限りタクシーの使用を控え社用車を使用するなど、可能な選択肢が他に無いかどうか常に検討し、最も危険度が低いものを選ぶことを習慣付けましょう。 10.危惧される病気 海外赴任者とその家族は、渡航前に予防接種を複数打っていると思いますが、熱帯環境で衛生状況も異なるインドネシアでは日本では普段心配のない病気が日常的に存在します。厚生労働省が東南アジア渡航時に推奨している予防接種としては以下があります。 ・短期滞在: A型肝炎 ・長期滞在:日本脳炎・A型肝炎・B型肝炎・狂犬病・破傷風 <参考>厚生労働省検疫所:海外渡航で検討する予防接種の種類の目安 http://www.forth.go.jp/useful/vaccination.html その他、実際に予防接種を受けに行った医療機関で医師に確認したところ、腸チフスのワクチン接種も勧められました。 10-1:水を取り巻く衛生環境に注意! 海外では特に飲料水に注意というのは良く言われることですが、水分補給には雑菌混入の心配が無いパッキングされたミネラルウォーターを。屋外で売られている飲料中の氷やカットフルーツも避けるのが無難(外国人向けの屋内店舗レストランで使用されている氷はミネラルウォーターで作られているとのことで安心)。 道路脇のあちこちにある、カキリマと呼ばれる屋台。おいしそうな匂いが漂っていて食欲が刺激されますが、溜め置かれたバケツの水で食器を洗ってたりするので、そういった不衛生な飲食店での飲食は肝炎や腸チフスの危険が高まります。 腸チフスは、現状日本ではもう見られない病気だそうで、予防接種のワクチンも国産は無く海外品でした。ですがインドネシアでは、会社のスタッフが腸チフスで休んでいるとか、運転手が腸チフスで・・・といった話を普通に耳にします。 水道水自体も決して安心とは言えません。特に切り傷などがある場合には、シャワー時の水で傷口が炎症したり、破傷風の危険もあるとのことですので、傷がある場合には、シャワー前に防水タイプのバンドエードなどで保護しておくことがおすすめです。 雨季に入り洪水が懸念されますが、洪水で溢れ出る汚水も衛生上要注意と言われています。 10-2:犬には近寄らない! 日本ではかわいい子犬がいるとつい近寄っていきかまってしまいがちですが、インドネシアで犬を見かけても近寄ってはいけません。狂犬病の恐れがあります。 イスラームでは犬は不浄のものとされているので、ムスリムが9割のジャカルタでは野良犬自体見かけることも少ないですが、主となる宗教が異なるエリアでは、犬を食べる為に飼っているところもあり、犬と遭遇する可能性はあります。インドネシア国内旅行の際にはご注意を。 10-3:家畜にも近寄らない! 犠牲祭と呼ばれるイスラームの儀式前には、生贄にされるヤギが街中の空き地でたくさんつながれ売られていましたが、これらも衛生上の問題から取り締まりの方向にあるようです。 また、中国で数年前に騒がれた鶏インフルエンザですが、インドネシアでも以前は頻繁に発生していたとのこと。在中国日本国大使館の情報ではいまだに中国国内での感染が継続的に報告されていますが、日本国内での報道は今やほぼ見かけないのではないでしょうか。 大流行しておらず報道されていないとしても、これら家畜による病気の感染は考えられるので、インドネシアにおいても家畜にはできれば接触しないのが無難です。 10-4:虫よけ対策も重要! たかが蚊、されど蚊。デング熱や日本脳炎を媒介します。日本脳炎は予防接種がありますが、デング熱にはワクチンはありません。 対策は刺されないことに限ります。暑い気候下ではありますが、長袖の着用や虫よけ剤の塗布などを心掛けましょう。インドネシア国内旅行時には蚊帳が見られる宿もありますが、蚊取り線香の持参も忘れずに。 <まとめ> 以上、熱帯という気候、インフラや衛生上の整備途上であること等日本とは異なる状況から起こる危険が身近に存在します。どれもこれも危険として遠ざけてしまうと、本当に何もできなくなってしまいますが、このようなことが起こりうるという知識を持ち、行動に伴う危険を想定しつつ、場面場面で適切な判断をしていく必要があります。 それ以外にも、インドネシアはテロ含め外務省の危険・スポット・広域情報では、「危険レベル1:十分に注意してください」に入っています。海外安全情報(危険情報)等も目を通し、自分のおかれている状況はできる限り把握し、被害に遭わないようできる対策は講じておきたいものです。 |
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