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ジャカルタ・トピックス_Agustus2016   by  A.K.I

2016/08/04 10:45

ジャカルタ・トピックス_Agustus2016
by A.K.I

 イスラームにとって最大のイベントとも言えるラマダーン(断食月)とルバラン(断食明け大祭)に続く長期休暇も終わり、日常を取り戻したジャカルタのホットな情報をお届けすべく、最近タイムリーに盛り上がっている出来事や、身の回りで実際に感じられた変化や気づきをまとめました。ちょっぴりジャカルタの”今”を感じてみてください。


1.ナンバープレート規制”奇数・偶数制度” 試験導入開始!



  日常生活に大きく関わるということもあり最も関心が高い事柄の一つと思われる、5月に廃止されたジャカルタ中心部の渋滞緩和策3in1制度の代替策として試験導入された”奇数・偶数制度”。 試験期間は7月27日~8月26日の1ヶ月間の予定で、自家用四輪車を対象にナンバープレートの末尾の数字が奇数であれば奇数日に、偶数であれば偶数日にのみ対象の道路(3in1規制されていた、中央ジャカルタのスディルマン通り、タムリン通り、メダン・ムルデカ・バラット通りとガトット・スブロト通りの一部、南ジャカルタのシシンガマンガラジャ通り)の通行が可能です。時間帯は平日午前7~10時 / 午後4~8時。

 試験期間中の違反者には周知のための注意のみで、予定されている8月30日の正式導入以降からは罰則として2ヶ月以内の禁固か最大50 万ルピア(約4,000 円)の罰金。通行対策として2台目のマイカーの購入やナンバープレートの付け替え・偽造などが想定され、偽造に対しては厳格な処罰を検討するとのこと。

 警察官が赤信号で停車中の車両のナンバープレートの目視チェックを行っていて、窓を開けなければ確認できなかった3in1の違反よりも判別が容易で渋滞要員の軽減にもなっていると現状では報じられています。あくまでも電子課金システム(ERP)導入までの暫定的制度とのことですが、ERPシステム導入にはまだ1年はかかる模様です。渋滞緩和効果やいかに?


2.公共交通機関トランス・ジャカルタの利用促進継続



 渋滞緩和策の一つとして、昨今急速に公共交通機関であるトランス・ジャカルタの路線や便数が増やされたりしていますが、奇数・偶数制度の導入においても、規制区域の両端に当たるコタとブロックMに、乗り入れできない車両用の大型駐車場を確保し、トランス・ジャカルタへの乗り換えを促すなどの策が講じられています。
 なお、6月中旬からトランス・ジャカルタ専用レーンへ順次可動式のブロックの設置が進められていて、スムーズな運行を妨げる一般車両のレーン内への進入禁止を厳格化し、反則金は最高50万ルピア(約4,000 円)へと引き上げられました。ブロック設置により一般車線が減少し、より渋滞を深刻化させているとの説もありますが過渡期の悩みといったところでしょうか。


3.MRTの建設着々と



 日本も建設に関わっているジャカルタ初の地下鉄となるMRT(Mass Rapid Transit / 大量高速鉄道)の工事は着々と進められているようです。南ジャカルタ・スナヤンの青年の像からと、ホテルインドネシア(HI)前からの掘削作業は各々隣駅まで到達し、ホームやコンコースなど駅や換気塔の建設にも着手。
 日本が請け負っているからにはこれまで通り工期のズレもないであろうと予想されますが、この路線区間は2018年12月の完成予定とのこと。任期からすると現ジャカルタ駐在者が2年後にその恩恵を被ることができるかどうかは微妙なところではありますが、街がどんどん変わっていく様子を肌で感じられるというのも、今この国ならではの経験で、どんな地下鉄が完成し運用されていくのか楽しみです。


(MRT予定路線図:MRT Jakarta ホームページより引用)


4.高速道路等インフラ整備加速



 今年も2,600万人が帰省したと言われるルバラン(断食明け大祭)時期の大移動。毎年発生する大渋滞を少しでも緩和しようと、この時期めがけて、高速道路その他インフラの整備加速の話題が次々と見受けられました。

 建設が進められているジャワ島横断高速道路のうち、西ジャワ州チルボンと中部ジャワ州ブルブスを結ぶカンチ~プジャガン高速道路がルバランに先駆け6月に開通したものの、ブルブスでは新料金所がうまく稼働せず帰省ラッシュ時に大渋滞。給油所、サービスエリアもまだ完備されておらず、ガソリン切れや体調不良から死者まで出るなど大混乱を招いた模様。来年の帰省シーズンまでにスマランまでこの高速道路を延伸することを目標としているとのことですが、建設予定土地の収用もまだ50%と前途多難。2018年内の完成が掲げられていますがどうなることやら。

 その他、中央ジャカルタ・スマンギ交差点の環状高架道路建設のために近隣各道路の随時通行止め(2017年8月12日までの予定)や、全国の高速道路料金所での電子マネーカード使用を2017年中に義務化する、高架式の次世代型交通システム(LRT)の北ジャカルタ・クラパガディン~南ジャカルタ・クバヨランラマの区間を2018年のアジア大会までに開通させる、ボゴール近郊チアウィとスカブミを結ぶボチミ高速道の建設加速、など渋滞緩和を念頭に置いたインフラ整備は正に重要課題で続々と計画が発表されています。

 ちなみに余談ではありますが、今年のルバラン帰省時期の交通事故発表件数は1,947件。うち死者366人は、これでも昨年より15%減なのだそうで、その数に驚きを隠せません。オートバイでの事故が7割を占めるとのことで、公共交通機関含めた早急なインフラ整備は必須ですが、ソフト面含め内容を伴った加速であってほしいものだと思います。


5.いつオープン? スカルノ・ハッタ空港新第3ターミナル


 これまたインフラ整備の話題が続きますが、ルバラン前の6月16日オープン予定だったスカル・ハッタ空港新第3ターミナル。設備が国際基準を満たしていないとの最終判断で運営許可が出ず、整備後ルバラン明けにはオープンと言われていたのがまたまた不備により延期に。機器の試運転や点検作業、管制塔の確認、燃料補給のパイプ設置などなど、まだ未整備点が出てくるのかと、インドネシアの有って無いようなスケジュール感に実際のところ少々呆れてしまいますが(日常的にも同様のケースは多々見られます)、危険な状態で運営されるよりは結果としては良いであろうということで。さらに延びて8月中旬のオープンは実現するのか?
 なお、このターミナルを利用する航空会社は当面ガルーダ航空のみとのことです。稼働し出しても暫くはなんらかの混乱が起きるのではないかと懸念してしまいます。


6.インドネシア独立記念日間近!



 8月17日はインドネシアの独立記念日(祝日)で、各地でさまざまな記念式典や催し物が行われます。この時期が近づいてきたことを実感させるのは、街中で売られ出すインドネシア国旗の紅白を主とした幕や旗。みるみるうちに街中の建物や柵にこれらの布がはためき始めます。日本の建国記念日とは比較にならない祝賀感がみなぎります。
 そういえばインドネシアでは先日、国是としている「パンチャシラ」=建国五原則を記念して6月1日が「パンチャシラの日」として国民の祝日に制定されたばかりですが(来年より施行)、「多様性の中の統一 Bhinneka Tunggal Ika」というスローガンに代表されるパンチャシラは、インドネシアの人々にとって重い意味がある一つの拠り所となっています。経済格差・地域格差の拡大や、1月のジャカルタに続き7月にソロで起きた自爆テロなど過激派の活動といった大きな問題も抱えつつ、民族・宗教の違いを互いに認め合い、一つの国家としてどのように統一していくのか。知れば知るほど多様性に富む国インドネシアのこの先はまだまだ未知数です。


7.ここでも人気!「ポケモンGO」



 ここインドネシアでも「ポケモンGO」が話題になっています。先日観に行ったワヤン・オランという伝統的に受け継がれている舞台でも「誰?」―「ポケモン。」なんてアドリブの台詞が入り会場を沸かせていました。
 インドネシアでは、国内正式配信前から非正規ルートでアプリを入手するプレーヤーが多く、Facebook内コミュニティー参加メンバー数は既に10万人に上る勢い。モナス周辺がモンスターを捕まえるのに最適の場所として集まってくるアプリ利用者が増えているとのこと。また、国内での本アプリ人気を受けて、州庁舎敷地内や国立博物館での使用を許可し観光客増加につなげようという動きさえ出ています。
 半面、ゲームに熱中しすぎて陸軍管轄区への不法侵入として身柄を拘束されるという騒ぎがあり、不法侵入や機密情報漏洩を危惧して、警察官の職務中のアプリ使用や警察施設内でのアプリ利用をを禁じる(当然なような気もしますが)通達が出されたり、イスタナ(大統領宮殿)内でもアプリ利用を禁じる張り紙がされたそう。主要機関にまでなんらかの対応を余儀なくさせるゲームの波及力ってすごいですね。


以上、ここ最近の身近な話題をお届けしました。
 
 

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