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世界最悪の渋滞都市、ジャカルタで渋滞に会った時に車中で楽しむ方法  by  A.K.I

2015/09/29 11:35

世界最悪の渋滞都市、ジャカルタで渋滞に会った時に車中で楽しむ方法

by A.K.I



 ひどいひどいと聞いてはいたが、まさかここまで酷いとは。来てみてびっくり!それはそれは、ほんとうに酷いジャカルタの交通渋滞。日本のお盆や年末年始の帰省ラッシュ並みの交通渋滞が日常の光景!と言えばご想像いただけるでしょうか?30分で到着できる思われる至近距離に、なんと2時間かかることも!!信号機が少なく、右折左折のポイントがあまりないため、Uターンできる地点まで行ってはるばる戻ってくるというような非効率な道路構造など、渋滞を引き起こすこと一目瞭然な要因が満載。
 交通渋滞緩和のために、高架路の建設工事も始まっているようですが、工事のために道がふさがれてさらに渋滞を悪化させているような状況もみられ、改善にはまだまだ年月がかかりそうです。



 よって当面は、なんとかしてよ~と嘆いたところで仕方がなく、イライラして神経をすり減らすよりも、ストレス軽減のためにも、いかに渋滞中の時間を楽しく有意義に過ごすかを考えるのが得策です。

◆備えあれば憂いなし



 いつ巻き込まれるともわからない、むしろジャカルタでは当然巻き込まれると考えておいた方が良い渋滞。それに備え車移動の前には、①距離的に近い場合でも必ずお手洗いを済ませてから。②その一方、必ず飲料用ペットボトルの携帯も。冷房の効いた車内といえど乾季は特に空気が乾燥していることもあり、水分補給は重要です。③待ち合わせの予定などがある場合には特に、携帯電話の充電は忘れずに。地図を確認したり、つい携帯電話をいじってしまいがち。気づいたら電池の残量が危うい!ということもありがちなので、充電器、車のシガーソケットからの充電用コードなどもあれば重宝します。
 準備をしたら、イライラ軽減のためにも余裕を持って早めに出発しましょう。

◆あったら快適おすすめアイテム



 長時間同じ姿勢で座っているのは結構疲れます。そして、道の舗装具合も日本と比べると不十分であったりもするので、飛行機搭乗時によく使われる首枕や小型クッションがあるとかなり楽になります。そして、弱めると暑いし強めると寒いという微調整の利かないエアコン対策として、ひざ掛けやストールもご用意を。日中、車内にいても窓からの日差しが強いので目が光に弱い方はサングラスの着用もおすすめです。
 
 さて、ここまでは下準備。これだけあれば、まずは大きな心配事もなく、焦ることはあきらめて潔く渋滞に挑めることでしょう。ということで、早速本題の、大渋滞の車中で楽しめる過ごし方実例を挙げていきます。

1.自分の世界に没頭する



 こんな時は、渋滞であることを忘れてしまうのが一番です!普段なかなか時間を取れない読書に時間を費やすにはもってこい。ほぼ動かないのろのろ運転では、活字を追っても酔いにくいと感じます。最もありふれた時間利用法ですが、気兼ねなく本を読んでいられて、次々読破できるのはなかなか気分がよいものです。日本語の書籍は、こちらで購入すると高価ですので、在住の方は、図書館(JJC、ジャカルタ日本文化センター図書館など。但し、入会・登録が必要。)や古本屋での本探しも一つの楽しみにもなります。

2.情報収集でインドネシア‘ツウ’に



 せっかくジャカルタにいるので、日本人向け飲食店・スーパー等で定期的に配布されている、各種日本語のフリーペーパーなどを集めておいてじっくり目を通すのも、ジャカルタの違った一面を発見できて、渋滞にも寛容な気持ちになれるかもしれません。充電具合に余裕があればネットサーフィンで、多種多様なインドネシアの島々に思いを馳せると、未整備だったからこそ保存されてきた自然や文化に興味が湧いて、インドネシアの良いところが発見でき、インドネシアをもっと好きになれるに違いありません。

3.車内をクリエイティブな工房に



 クラクションの音で活字に集中できない時には、気分を変えて簡単なモノ創りの時間に。たとえば、糸と針があればスペースを要せずできてしまう編み物はちょうどお手頃です。常夏の国で編み物?と思われるかもしれませんが、レース編みなら大丈夫。涼しげで素敵、且つ実用的な作品が次々できあがります。ただし、取り掛かる前にウェットティッシュで手の汚れを落としたとしても、どこへ行っても埃っぽいジャカルタなので、空気中のチリにより、仕上がったものがなんとなく薄汚れた感じに見えることは否めません。よって、白い糸よりカラー糸を選んだ方が黒ずんだ感じが気にならず気持ちよく編みすすめられます。

4.ここぞとばかり、インドネシア語をインプット!



 やった方がいいと分かっていても、なかなかはかどらない語学学習。どっぷり渋滞中なら、単語の一つや二つ、と言わずひたすら暗記の時間にも最適です。テキストからだけでなく、せっかくなので運転の集中力を欠かない程度に、運転手さん相手に会話練習をしてみたり、道路脇の標識や看板の意味を確認してみたり、語彙力が増えて、目に入るものや聞こえてくる言葉の意味が分かりだすと、滞在がより楽しくなってくるでしょう。

5.ここは、“ジャカルタ博物館”!?





 日本では見かけないバジャイやOJEK、モスクやカキリマ。ジャカルタの街自体が巨大な博物館に思えることはありませんか?そんな目線で車窓を眺めていると、え?っと思うような物事が次々と目に飛び込んできます。5人乗りのバイク、ヘルメットにデザインされたキティーちゃんやドラえもん、荷台に積み上げられたたくさんの鶏の入った籠、おもちゃのようなデコレーションのベチャ。さらには、バスの上にまで乗客と共にバタウィーの伝統人形オンデルオンデルが乗っかていたり。本を読もうと思っていたのに、車窓にくぎ付けで1ページも読み進められないなんてこともよくあります。それくらい驚き一杯の車窓、ぜひ、お楽しみください。

6.こんなところにビジネスチャンス?!





 動かなくなった車の合間に何処からともなく現れる、様々なものを担いで売り歩く人々。飲料やスナック、フルーツを売る人、新聞や子供が喜びそうなおもちゃを売る人、そんなの買う人いる?っていうような置物を持ち歩いている人もいたり、多種多様な物品に興味が湧きます。また、方向転換をしたい車を誘導してチップを受け取る人や、メイン通りでラッシュ時に設定されているThree in one(3人以上乗っていない車は通行できない)の人数合わせ要員にと、道端で人数を指で示して立っているジョッキーと呼ばれる人々など、小さなことでも仕事として見つけ出し確立してしまう人々の逞しさにある意味感心。彼らのような発想を目の当たりにすると新たなビジネスがひらめくかも?

7.シャッターチャンスを逃さずに!





 ジャカルタの街は、治安の問題、または歩道が整備されていないことなどから、自分の足で歩いて見て回れる範囲が大変限られています。また、屋外では一眼レフなどの高級なカメラもスリに狙われやすいため、写真を撮ることさえ躊躇してしまうことも多々あるけれど、ありがたいことにこの渋滞。ちょうど撮りたいものの近くで動きが止まれば、そして、次々に走り抜けるバイクが途切れてくれればという条件付ではありますが、車中から安心してゆっくりと撮りたかった写真が撮れて、渋滞に感謝!ということも写真好きにとっては結構あります。街中にたくさん建てられている銅像や、犠牲祭を翌週に控えたこの日は、祭りで捧げられるカンビン(ヤギ)が販売されているところを、車中からゆっくり見学できました。

8.芸術鑑賞でストレス軽減



 お気に入りの写真集や絵本、絵画集を1冊持ち込みすみずみまでじっくりと鑑賞するのも素敵な時間の過ごし方です。芸術鑑賞が生理的・心理的ストレスを低下させるとも言われるとおり、ストレスになるはずの渋滞時間にストレス軽減できたとしたら、とても素敵な時間の過ごし方だと思いませんか?

9.最終手段は、寝るに限る



 しばらくとろとろ車の振動に揺られていると、どっと眠気に襲われることは、容易に想像がつきます。眠りで神経を休めることも重要なこと。ここは抵抗せずに、ドアがロックされていることを確認し、水分補給をしてから枕をセットし、お眠りください。ただし、シートベルトはお忘れなく。あとは、運転手さんの安全運転を祈るのみ。(*タクシー利用の場合には、気づかないのを良いことに遠回りされる可能性もありえるので、眠ってしまうのはあまりお勧めではありません。)

 
<まとめ>
 イライラしても仕方がないのがジャカルタの渋滞です。渋滞回避路を探して脇道に行ってもらったものの、一方通行だったりして余計にドツボにはまったりすることもあります。カーナビも普及していないので、あったとして運転手さん同士が連絡を取り合って渋滞情報のやり取りをしている程度。考えてみれば、度合いの違いこそあれ数十年前の日本もこんなだったのかもしれません。日常茶飯事な渋滞状況なので、タイムスリップした気持ちで焦りを捨てて、ゆったりとした気分で受け止めることが重要です。有意義に自分なりの楽しみを見つけながら、車中での時間を過ごしたいものです。
 

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