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多様な民族と文化@ジャカルタ#2 Jawa人 by A.K.I 2017/07/14 10:35 |
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多様な民族と文化@ジャカルタ#2 Jawa人 By A.K.I 前回は、ジャカルタの原住民族Betawi人をご紹介しましたが、その後町中でOndel-ondelと遭遇されたりしていませんか?少しでもその文化について知識を持っていると、町で見かけても興味も出て見え方が違ってくるのがまたおもしろいところ。興味対象に含めているせいなのかどうなのか、何故か私、移動中にOnedl-ondelとの遭遇率が高く、遠征なのか屋根の上にどんと人形をくくりつけて走り去るミニバスなどもよく見かけます。 そんなこんなで、今回は引き続き、さらに少し興味の幅を広げるべく、ジャカルタは言うまでもなく、インドネシア国内で最大の人口を誇るジャワ人の文化をビックアップしてご紹介したいと思います。 Betawi人とはがらりと趣が異なるジャワ人の文化。ジャカルタにしばらく滞在されている方ならきっと、彼らの文化には必ず接したことがあるはず! 1. 宮廷文化を継ぐJawaジャワ人の文化 ジャワ島のみならず、インドネシア全体として4割強と最も大きな割合を占めるジャワ人は、温厚で調和を重んじる民族と言われています。その性質は、”Noと言わない日本人”、と特に欧米人からは言われる我々日本人と似た要素を持ち合わせています。はっきりと意思表示をせずさりげなく感じさせようとするような言動や、遠慮がちな態度、目上の人を敬い礼儀を重んじる文化、社交辞令的やりとり等にも我々との共通性が感じられます。ただし、曖昧表現度合いは日本人以上で、本心が見えづらく、結論も出づらく、話が一向に進まないといった点が、特にビジネスにおいては問題ともなってしまうところです。 ジャワ島においては、今も王が存在するジョグ・ジャカルタやソロも含む中部ジャワから東部ジャワに主に分布するジャワ人。その気質が、王宮に端を発する優雅さのある宮廷文化・風習の流れを汲んで形成されたものであると聞くと、この慎ましやかさも納得できます。 2.ジャワ人のゆるやかな音楽:Jawa Gamelanジャワ・ガムラン そんなジャワ人の宮廷文化を感じさせる代表的なものが、ジャワ人の音楽形態ジャワ・ガムランです。これまた、ガムランと聞くとまず思い浮かぶのは、アップテンポでハイトーンなキラキラした印象のバリ・ガムランかもしれませんが、同様の楽器が用いられるガムランであっても、ジャワ・ガムランはそれとは対照的に、ゆったりとまどろんでしまいそうに穏やかで優雅な曲調です。ジャワ島内至る所、空港やホテルのロビーなどでもこの楽器のセットが飾られていたり、見かける機会は多いかと思います。 さてこのガムラン、楽器の構成としては、太鼓と金属製の銅鑼や鉄琴と、場合によっては弦楽器が加わる、多い時には20人前後から成るインドネシア版オーケストラですが、太鼓のリズムが全体を指揮している以外、演奏の中にソリストのようなポジションはありません。全ての楽器で旋律を編んでいく、そんな感じの音楽で、ここにも調和を重んじるジャワ人の気質が現れていると言えます。 なお音階は、西洋のドレミとは異なる音幅の音階です。それが故に、西洋の音楽に慣れ親しみ絶対音感のある人が聴くと、ガムランの音楽は不協和音に聞こえるかもしれませんが、その音の並びであってこそのエキゾチック感と捉えると、味わい深い音に聞こえてくることでしょう。 ご興味がありましたら、例えば、毎週水曜日のお昼11:00~13:00(日本時間13:00~15:00)、インドネシア国営ラジオRadio Republik Indonesia(RRI)、RRI - Pro4 Jakarta(FM 92.8)で、ジャワ・ガムランの生演奏が流れます。平日の昼間、インドネシアではお昼休み時間、日本だと業務時間真っ最中で難しいかもしれませんが、機会がありましたら、インターネットのストリーミングでも視聴できますので(日本からでも)、雰囲気を是非味わってみてください。 3.ジャワ人の優雅な舞踊 さて、このジャワ・ガムランの音楽と共に演じられるパフォーマンスの一つが、ジャワ舞踊です。これまた、宮廷文化の趣が感じられる、じんわりと途切れなく、ゆったりと滑らかにつながっていく、とてもエレガントな動き。なんとも優雅な踊りで、見ていると気分がとっても穏やかになります。ブタウィの軽快な踊りとは趣が異なることが、写真からでも明確に感じていただけるのではないでしょうか。 衣装は、ジャワの伝統工芸バティックをベースに、落ち着きのある格式高さ漂ういでたちです。腰から垂らした布の扱いや、足元に長く伸びる裾布の捌きによって宙に広がる布の動きが、一層優雅さを引き立てます。 4.ジャワ人の伝統的な衣装 衣装についてもう少々。上の写真は、イベント時のガムラン奏者のいでたちです。正式な場所でのジャワ人の正装は、男性は伝統柄のバティックの腰布を巻き、頭にも布を巻き(現在ではすでに帽子型になったものを被るケースも多いようです)、聖剣クリスを腰に差します。女性は、クバヤと呼ばれるレースのブラウスにバティック布を巻きます。 伝統的な結婚式の衣装も民族ごとに特徴的で興味深いです。下記写真はそれぞれショーとして、ソロとジョグジャカルタの婚礼衣装を鑑賞した時のものですが、やはり婚礼はどこの国でも一生のうちの一大事、ゴージャスな衣装です。頭飾りや、髪の生え際のペイントの形など地域によってもいろいろな違いがあり、女性にとっては特に興味惹かれるカテゴリーの一つではないでしょうか。 日本と同様に、実際の結婚式では宗教的要素も加わり、現代では洋風なドレスとタキシードというケースも増えているようですが、伝統的な婚礼衣装には、フレッシュなジャスミンの蕾をつないだ髪飾りが実際に使われたりして、新郎新婦はエレガントな香りに包まれていて、これまた素敵です。 5. ジャワ人の悪霊払い:Wayang Kulitワヤン・クリット ジャワ・ガムランが奏でられるもう一つのジャワ伝統芸能として、ワヤン・クリットという影絵芝居も挙げられます。従来ガムランの音楽は、お祝いの席(結婚式や割礼式、記念の式典など)で奏でられ、その響きは祖先に加護を求め悪霊を払うという意味合いをもつそうです。ガムランの音楽を伴奏に人形遣いが語りながら人形を操るワヤン・クリットは、日没から明け方まで夜通し行われ、影を操ることで悪霊を遠ざけ祝い事を執り行う人々の幸せを願うものだと言われています。 このワヤン・クリット、語りの言葉がさっぱりわからないと思いきや、インドネシア全土の共通語であるインドネシア語ではなく、ジャワ人の言葉、”ジャワ語”で語られているのです。パフォーマンスとして、海外で公演などされる場合には、英語で語る人形遣いもいるようですが、きっと韻をふんだりその言語ならではの持ち味に意味があったりするので、ニュアンスが難しいところでしょう。伝統芸能は、従来の言語で楽しむことができるのが最高ですが、ジャワ語を理解するというのはまぁハードル高し。言葉がわからなくても、まずは、華麗な人形捌きとガムランの音楽を味わうだけでも十分に楽しめますが、回数を重ねると、ジャワ語への興味も高まります。 <まとめ> ジャワ人の文化、いかがでしたか?古都の面影残る京都と、王宮文化の続くジョクジャカルタが姉妹都市であることからも、その文化的色合いがご想像いただけるのではないでしょうか。このようなジャワの文化・芸能は、ジャワ人のお祝い事(結婚式や割礼式など)に招かれた際に見られることもありますが、インドネシア各地のパビリオンが並ぶテーマパークTaman mini Indonesia Indahのジョグジャカルタ館や中部ジャワ館、東部ジャワ館でのイベントなどで鑑賞できます(これまた公演開催情報はなかなか得づらくはあるのですが)。 なお、記載した民族の気質については、あくまでもおおまかな傾向で、育った環境や個人差もあり一概には言えませんが、日本でも例えば県民性について語るのと同じく、インドネシア人同士でも民族の特徴を話題とすることはよくあるそうです。まずは身近に接するインドネシア人に出身を尋ねてみると会話もはずみ、またさらに理解も深まるかもしれないですね。 <参考> Taman Mini Indonesia Indah Jl.Taman Mini, Jakarta Timur |
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