WEAVER、ロンドン留学を前にファンへのメッセージ!
前回の「HaKU」に続いて、「WEAVER」のインタビュー記事です!お忙しい中、貴重な時間を割いていただきました。ジャカルタのファンの印象、アジア諸国での活動、新たなステップアップであるロンドン留学のお話など、インタビューの様子を余すことなくお届けします!
左から、杉本雄治(Piano&Vocal)、河邉徹(Drum&Chorus)、奥野翔太(Bass&Chorus)
「僕らの音楽が海外の人たちにも聞いてもらえているのは、すごくうれしいこと」
― 昨日私もライブを拝見して、すごく楽しませていただきました。実際インドネシアでやってみていかがでしたか?
最近、海外でライブをする機会をたくさんいただけて、シンガポールとタイでもライブをやってきました。その中でもインドネシアはイスラム教の方が多い国なので、肌を見せない(ジルバブを被った)女性がたくさんいて、ライブでも大人しいんじゃないかなっていう勝手なイメージがあったんです。でも、全然そんなことはなくて。やっぱりライブや音楽はどの国に行っても、楽しんで盛り上がってくれるものなんだなぁっていうのを実感しました。
― 若い女性のファンがとても多かったなという印象がありますが、こちらでの認知度はどのように感じていましたか?
全くわからなかったですね。多分知ってる人なんて誰もいないだろうなという気持ちで来たので、空港に着いたときに僕らのことを迎えに来てくれたファンがいたりだとか、ライブが終わったあとに僕らのことを待っていてくれていたりしたのは、すごく驚きました。僕らの歌を知っている人もいたので驚きましたし、僕らの音楽が海外の人たちにも聞いてもらえているのは、すごくうれしいことだなと思いました。これからももっとライブをやって、僕らの音楽を伝えていけたらなと思いましたね。
― 歌詞を覚えて歌っている人もいました。WEAVERの音楽が伝わっているなぁとライブをやっていて肌で感じましたか?
そうですね。予想以上に知ってもらっているなというのは感じました。インドネシアから日本まで手紙をくれたファンはいたんですけど、あんなに歌ってもらえるなんて思っていなかったので、この経験を大事にして、またライブをしにきて、もっとつながっていきたいなという思いがあります。
「日本の音楽を広める一翼を担っていきたい」
― 曲を聴いていると「キラキラしたポップ」という印象が強かったんですが、実際ライブを拝見してみると、WEAVERは「ライブバンド」だなという印象を受けました。ライブはWEAVERの中ではどういう位置づけですか?
やっぱりライブが自分たちのことを一番わかってもらえる場だなと思っていて、今言ってもらったように、日本でも僕らはポップバンドであったり、爽やかなバンドだなっていう印象が先行しちゃってるんですけど、でもライブに来てくれた人たちは「すごくロックしてるね」とか、「予想外に骨太い」って言ってくれていて、バンドとして大事にしたい部分だなと思っています。今回のライブでもインドネシアの人たちにもそれが伝わっていたら、すごくうれしいなと思います。
(ポップな部分とロックな部分は)やっぱりどっちも大事にしていきたいと思っています。ポップなところも押さえておきたいし、アグレッシブに「あ、そんなことするんや」っていう、ある意味、期待を裏切れるようなパフォーマンスもやっていきたいと思ってるんです。その両方が混在しているときが一番ベストで、両方が活きるというか……。マニアックな演奏ばっかりしていても、よくわからない人もいると思うんですよ。アンコールで演奏した「僕らの永遠」はインドネシアでもたくさんの人に知ってもらえている曲で、そういうポップな方向に振り切った曲があることで、満たせるものがきっとあるんじゃないかなって。ライブもその両面があってはじめて完成するのかなと思ってます。そういう意味では、昨日のライブもいい具合に僕たちの音を届けられたのかなって思いましたね。
― 「ポップな部分」と「ロックな音楽性」とともに、エンターテインメントとして「楽しんでもらうこと」も意識されてると感じました。河邉さんのインドネシア語のMCも準備してこられていたんですよね?
そうですね(笑)。海外では特に意識しますね。普段の言葉だけじゃ通じないっていう環境のなかで、楽しんでもらうにはどうすればいいんだろうというのはやっぱり考えますね。それは見て楽しんでもらうパフォーマンスであったり、曲をまったく知らなくてもおもしろいなって思ってもらえるような何かであったり……。MCでは、その土地の言語をちゃんとは話せなくても笑ってもらえるようなやりとりって、どんなものだろうって考えたりしますね。
― インドネシア語のMCはすごくウけていました。インドネシアの国歌を歌うシーンもありましたね。
あの曲は、もともと日本にいたときから知っていて。曲は知ってたんですけど、国歌ってことは知らなかったんです。現地の人にこんな曲知ってるんやけどって言ったら、みんなが知ってる曲だよって教えてもらったんで、「この曲知ってるよ」っていうのをみんなに伝えたかったんです。あんなかっこいい国歌があるんだなと思いますね。
― 国歌をクールって言ってるところにウけている人もいました。
(笑)
― 周りにはJKT48のファンもたくさんいましたが、男性陣も踊ったりしてましたよ。
あー、うれしいですね。
たぶんまだまだ新鮮なんだと思うんです。J-POPだったりJ-ROCKっていうのが。そういうものを興味津々に受け入れようとしてくれているのかなって思いましたね。会場の外側で遠巻きにみてくれていた人もたくさんいて、ライブをずっと見てくれていたし、そうやってこれからも日本の音楽に興味を持ってもらえたら、インドネシアにもっと日本の音楽が広がっていくんだろうなぁってすごく感じました。だから、これからももっとインドネシアでライブをして、僕たちも日本の音楽を広める一翼を担っていきたいなと思いました。
― 日本のオーディエンスとの違いを感じることはありましたか?
今年はシンガポールやタイでライブをしてきたんですけど、他の国よりインドネシアは日本に近い部分があるなぁっていう感じがしました。それは昨日のイベントがJapan Expoだったからというのもあるのかもしれないんですけど、ライブで手を挙げる仕草だったりだとかで感じましたね。JKTを見に来たお客さんもヲタ芸的な(笑)、あれは日本の映像とかをYouTubeとかで見てマネしてるんだろうなぁっていうのを感じたんで、ライブの反応は他の国よりも日本に近いなぁって思いました。
― 12月7日・8日にはタイでのライブがあったばかりです。タイも盛り上がってましたか?
タイはもうみんなで大合唱でしたね。自分が踊って歌って楽しむっていうすごいエネルギーがある国でした。
― インドネシアの人は少しシャイな部分もあるかもしれないですね。
そうですね。それも日本と似ているところかもしれないです。
「インドネシアがすごく好きになりました」
― 来年1月末から半年間、ロンドンへ留学されると伺いました。それはどういう経緯で決めたことなんですか?
今年海外でたくさんライブをやってきて、すごくよかったんです。音楽で繋がれるというのはもちろんすごく実感できたんですけど、MCであったり、取材のやりとりの場でも、自分たちの音楽を自分たちの言葉で伝えたいっていう思いが増してきたんです。そのためにまずは世界中で話されている英語をちゃんと話せるようになりたいと思いました。それなら日本で勉強するんじゃなくて、自分たちが大好きなUKミュージックがあるロンドンという場所で、音楽を吸収しながら英語を勉強したいなっていう思いで今回の留学を決めました。
― 語学の勉強のほかに、ロンドンでのバンド活動も考えているんでしょうか?
そうですね。僕たちはイギリスでは無名なので、今とは違うまったく新しいことも、なんでもできると思っています。自分たちのこれからの可能性を広げるために、変な先入観をとっぱらって、おもしろいと思えることを失敗してでもいいからやってみたいなと思ってます。
― これまで日本ではCMやドラマのタイアップが決まって、ある意味トントン拍子に来たと思います。その後、セルフプロデュースのアルバムをつくったりと、「自分たちでやる」ということを主軸に活動されてきましたよね。5年目となる来年を迎えるにあたって、今回のロンドン留学はその延長線上にあるのかな思いますが、いかがでしょうか?
「自分たちでやる」というのはすごく大変なことなんですけれど、それが「あるべき姿」なのかなとも思うんですよ。僕たちがデビューしたときは、たくさんの人にサポートしてもらえるすごく恵まれた環境でやらせてもらってきたんですけど、自分たちがもっともっと成長していくためには、それだけじゃ駄目だっていうのを、途中で気づいて……。もっと土台からつくらないといけないなと思ったんです。それで、セルフプロデュースのアルバムをつくったりとかいろんなことに挑戦してきたんです。……やっぱりエネルギーはいるし、アイデアが必要だし、何も思いつかなかくて辛いときもあるんですけど、だけどそれをすることで、もっとファンの人たちに自分たちのことを信じてもらえると思うし、自分たちも納得して進めるので、そこは大事にしたいなと思っています。
― 留学後のビジョンとして、今描いていることはありますか?
世界に向けて自分たちの音楽を発信したいという思いは変わらなくて、アジアツアーやヨーロッパツアーもやっていきたいと思っています。自分たちと同じ事務所のアーティストも、どんどん世界に向けて活動しているので、負けたくないなぁっていう思いもあります。ロンドンで吸収したものをWEAVERに昇華させて、応援してくれているみんなに届けるのが一番大事なことだと今は思っていますね。
― いろいろな国でライブをしてみて日本を振り返ったとき、日本ってどういう国だと思いますか?
やっぱり保守的ですよね。内にこもっているというか……。インドネシアもそうですけど、みんなどんどん外に向かって何か発信しようとしていますよね。音楽にしてもアジアの街や経済が発展しているのを見ても、日本って守りに入ってる部分が強いなっていうのは感じました。
― 海外に住む日本のことが好きな人たちに、日本のここを知ってほしい、日本のこういうところを伝えたいというものはありますか?
日本人はいろんなところが繊細だなと思うんですよ。楽曲のつくりかたひとつにしてもそうなんです。たとえばイギリスの人と仕事を一緒にしても「え~!ざっくり~!」みたいな印象受けたりするんですよ。たぶんそれはそれでその国の人のよい部分でもあると思うんですけど、人柄からはじまって日本人らしさという意味では、繊細なところが日本人のよさだと思うんで。そこは知ってほしい、感じてほしいなと思います。
― インドネシアの印象はどうでしたか?
すごくフレンドリーだなっていう感じを受けましたね。僕たちがMCで話すインドネシア語も一生懸命聞いてくれる、親身に理解しようとしてくれていて。インドネシアがすごく好きになりました。
― 最後に、インドネシアと日本のみんなへのメッセージをいただけますか?
インドネシアに日本の音楽はまだまだ十分には届いていないと思うし、日本でもインドネシアのことを知らない人がたくさんいると思うので、僕たちの音楽がお互いの国の文化を知ってもらえるきっかけになればいいなぁと思っています。今回、僕たちがこうやってライブをしにきて、「また来たい」と思える瞬間をたくさんもらえました。ぜひまた来たいなと思っています。昨日ライブに来てくれた人も、これからWEAVERのことを知る方も、ぜひライブに来てくれたらうれしいなと思います!どうもありがとうございました!
(取材協力: The Media Hotel & Towers )
爽やかなイメージはそのままに、音楽や自分たちの成長についてはアツく語ってくれたWEAVER。ファンのことをとても大切にしていることが伝わってきました。ブレない信念を抱いて、これからもがんばってください!応援しています。ありがとうございました!
【WEAVER】
杉本 雄治(Piano&Vocal)
奥野 翔太(Bass&Chorus)
河邉 徹(Drum&Chorus)
ピアノ、ドラム、ベースとギターレスが特徴のスリーピースピアノ・ロックバンド。WEAEVERというバンド名には「音楽を紡ぐ人」という意味が込められている。
2014年1月からインドネシアでも放送予定の新番組「Find the WASABI!」のテーマソングをタイの人気バンドINSTINCTとコラボレーションで担当する事が決定。
「Find the WASABI!」 1月7日(火)深夜2:28~スタート(日本)http://www.tbs.co.jp/wasabi-wasabi/
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