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投稿記事
HaKU、ジャカルタでのライブを語る! by じゃかなび記者 2013/12/26 17:25 |
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HaKU、ジャカルタでのライブを語る!前回のライブレポに続いて、今回は「HaKU」のインタビュー記事です!予熱冷めやらぬ、ライブの翌日。帰りの飛行機の時間が迫る貴重な時間を割いて取材に応じてくれました。ジャカルタでのライブの感想、彼らの音楽観、そして今後の展望など、その様子を余すことなくお届けします! 左から、藤木寛茂(Guitar)、三好春奈(Bass&Vocal)、辻村有記(Vocal&Guitar)、長谷川真也(Drums)
「文化が違っても伝える方法はあるし、伝わっていくものもある」― 昨夜のライブは非常にエキサイトしました。周りのインドネシアのファンたちも歌詞を覚えていて一緒に歌っていましたね。個人的には春奈さんのハイヒールを脱いでからの踊りっぷりがよかったです(笑)。春奈さんコールも出てましたよね。 あんなんしてもらえると思ってなかったです(笑) ― 寛茂さんコールもありましたしね。 ねー、びっくりしましたね。春奈やったらわかるんですけど、え?ぼくですか?っていう(笑) ― ギターソロやテクニック的な見せ場でも盛り上がっていました。 そうですね。日本でもワーッて煽ってくれるんですけど、昨日の煽り方はこっちがちょっとびっくりしちゃうくらいすごかったので、うれしかったですね。 ― インドネシアでのHaKUの認知度はどういう風に感じていましたか? いやぁ、もう、まったく皆無だと思ってました。でも今回思ったのは、YouTubuなどの動画共有サービスってやっぱりすごいんだなぁっていうのを実感しましたね。昔は音楽がまずあって、そこについてきてくれる人がいたと思うんですけど、今は映像ありきの音楽というのも成立するんじゃないかなと。YouTubeだったり動画共有サービスがひとつの入り口、きっかけとなって、僕たちの音楽がワールドワイドに広がっていくんだということを実感できました。 ― たしかにYouTubeを見てきた人たちも多かったみたいです。マレーシアでの最初のライブもきっかけはYouTubeだったと聞きました。 まだメジャーデビュー前だったんですけど、マレーシアのイベンターの人がYouTubeで自分たちのことを見つけてくれて、招待してくれたんです。「これはもう行くしかない!」と思って行ったのがきっかけです。そこではじめて海外の風にあたれました。 ― HaKUの音楽がインドネシアにもしっかり伝わっていると肌で感じましたか。 そうですね。日本だとCDの文化がちゃんとあって、僕らもCD世代なので「CDを売ってなんぼ」というのが、アーティストとしてはあったりするんですけど、アジアに出てみると、また違ったものがあって……。「CDを買う」っていう文化があんまりないじゃないですか。そういう国や地域への音楽の届け方というのが、きっと多種多様にあって。その一つの例がYouTubeだと思うんです。文化が違っても伝える方法はあるし、伝わっていくものもあるんだなって、すごく身にしみました。 ― 今回インドネシアでやってみて、今年7月のマレーシアでのライブとの違いは感じましたか? あー、どうだろう。マレーシアのほうがHaKUについてもっと浸透していたような感じはありましたね。歌えばみんなで一緒に合唱してくれたりというのはマレーシアのほうが強かったです。でもそれはプロモーションなどのアクションを起こしながらやってきたからこそ得られた反応なのかな、という気がするんです。今回のインドネシアは、そういった活動は皆無の状態で来たにも関わらず、ああいう反応があったというのは、やっぱりうれしかったです。インドネシアもマレーシアのように、数を重ねていくことによって、もしかしたらもっともっとすごくグルーブしていくんじゃないかと、そういう予感はしました。 ― たしかに最初に私が会場についたときは、ステージの前が埋まっているだけでしたが、曲をやればやるほど観客が集まってきて後ろも埋まっていきましたよね。その様子を見ていて、あぁHaKUの音楽が伝わっているんだなと感じました。 いやー、それは感じましたね。「歌えばいいんだよね!」っていう(笑)。自分たちのパフォーマンスをすれば、来てくれる。もっとやればもっと来てくれるんじゃないかっていうのを、リアルタイムに感じられることって日本ではあんまりなかったので。それはすごく感じました。 ― 演奏していてこの曲がウケているなという手応えみたいなものはありましたか? 正直、全曲にあったような気がします。日本と違うところとして、(曲が)終わってからの歓声やアクションに外国特有の盛り上がりがあって、「あ、ウケてるな」っていうのは、どの曲をやっても感じることができましたね。
「映像が今一番重要な武器」― 曲は、ドラマチックな構成と変化に富んだリズムにも関わらずダンサブルで、みんな踊っていましたよね。リズムについて大事にしていることはありますか?基本的にはダンスミュージックなので、リズムは複雑にし過ぎないように、変化をちょいちょい入れながら、ベーシックな部分では踊れる。そういうことを意識してますね。(ベースの)春奈と一緒にリズムの噛み合わせを考えながら歌の邪魔をしないようにリズムはつくってます。 ― リズム隊はリズム隊で完全にパートを任されてつくっている? そうですね。基本的には有記が持ってきた曲のイメージに向けてつくってます。 ― 有記さんが歌いながら、「ここでスネア!」みたいなアクションをしていたのを拝見したんですが、有記さんとしても曲をつくるにあたってリズムへのこだわりはありますか? ここ来たら気持ちいいんだよな、っていうのがあって。身体でもう、出しちゃうんですよね。結構あれが肝なんですよ。気持ちよけりゃいいっていうのがあるんで、そこは絶対に必要なことなんです。結構自己中なところもあるかもしれませんね。やっぱり気持ちよく歌いたいっていうのがあったりするんで。そうやってコミュニケーションをしながら、お互いに気持ちよくなろう、という感じです。そういう意味で、いいリズムをつくってくれていると思いますね。 ― 「踊れて歌える」曲を意識してこられたと思いますが、それで大切になってくるのはライブですよね。曲作りに関してもライブを意識してつくっていますか? 最近はそうですね。既存の曲もライブ用にアレンジして踊りやすいようにしています。すごくオルタナティブに、変拍子を使ったりだとか踊りにくいこともたくさん音源ではやっているんですけど、ライブではそこが案外気持ちよくなかったりするので、ライブ用にカットしている部分もあります。「ライブと音源の差」は見せながらやっていこうかなと思っています。 ― ライブに関していえば、(シンセや打ち込みは使わずに)バンドの生の音を大切にしていると思いますが、そのこだわりは強いものがありますか? ありますね。最近言われたんですけど、(シンセや打ち込みの音と)同期をしてないから、お客さんの熱量とバンドの熱量があがるタイミングが一緒になるんですよね。相乗効果で全体の熱量が高まってると思うんです。それはやっぱり生音ならではのことで、ライブでしか体感できないことだと思っています。 ― 「踊れて歌える」曲となれば、いわば「みんなに受け入れられる曲」という面が強くなると思いますが、その一方で芸術的でオルタナティブな面も大切にされている気がします。そのふたつのバランスはどのように考えていますか? 楽曲をつくるときに、最初にやれるだけのことを突っ込んで、そこから省く作業をしていく。それが僕らのバンドの色なんです。どこまでだったら省いていいだろうというのは、自分たちと、周りの人たちにも聞いてもらって、ひとつずつHaKUの要素を研いでいくというか……。最初はアイデアを詰め込めるだけ詰め込むので、ノれる要素は皆無だったりもします。アーティスティックな面が保てているのは、そういうところが影響しているのかもしれないですね。 ― アートな面でいえばPVを、いろいろなジャンルのアーティストとコラボレーションして制作していますよね。ああいうアイデアはどこから出てくるんですか? あれは本当に周りのスタッフのおかげです。自分たちの音楽にはこの人が合うんじゃないかとか、この曲にはこの人が合うんじゃないかとか、監督さんを選んでくれたりとか……。そうやって見つけてきてもらった監督さんを交えて意見交換をして、ひとつの映像作品をつくっていくという流れです。音楽を世界中に届けていく上で、映像が今一番重要な武器だと思っています。なので映像にはすごく力を入れるし、いいものをつくろうと考えてやっています。その結果として、納得のいくものができたのはすごくうれしいし、だからこそインドネシアにも見てくれている人がいたんじゃないかなと思います。 ― 映像と関連して、ライブでのステージセットへのこだわりはありますか? 日本ではレーザーやスモーク、照明や音響での仕掛けをいろいろとつくってパフォーマンスしているので、いつかインドネシアのワンマンで披露できる日がきたらいいなと思っています。 「今回のインドネシアでの公演があったからこそ、「次」に向かっていけるような気がしています」― 海外でライブをやってみて影響を受けたことは何かありますか? 国外でやってみたことで、より一層ワールドワイドになりたいという気持ちが強くなりましたね。違う国で演奏したらどうなるんだろうとか……。いろんな人種がいろんな考え方をもって、聴いてくれているのを知ると感じるものがあります。リアクションをもらって、また新しい音楽をつくって、というように自分たちの経験値をあげてくれることが国外でやることの意味だと思うので、もっともっとやりたい。今回のインドネシアでのライブは、そんな気持ちにさせてくれるライブでしたね。 ― 『What's with him』は当初、海外向けにつくった曲でした。海外での活動が曲作りに影響することはありますか? 海外でのリアクションを見ていて、その土地土地の言葉があって、やっぱり日本語だけじゃ通じないこともたくさんあるとわかったので、今後はその国で伝わるような言葉というのも、意識していかなきゃなとも思っています。 ― インドネシアのファンは、日本語の歌詞をがんばって覚えていたりもしますよね。 そうなんですよ。だから逆にびっくりして。日本のコミュニティはそこまで大きいものだと思っていなかったんですけど、話を聞いたら、インドネシアは日本語を勉強している国、第2位らしいんですよね。そういうことを考えると、もしかしたら全部日本語の歌詞でもいいのかなって。そういう考えも与えてくれたいい機会でした。 きっかけは、バンドをやりはじめたときに、人とは違う自分の「声」に反応してくれたのが、海外の人に多かったんです。そういうこともあって、ちょっとずつ、目が海外に向いてきたこともあったのかなと思います。あとは、自分自身25年かけて洋楽をずっと聞いて生きてきて、海外の曲に勇気をもらったりとかしたので、同じステージで自分たちの音楽をいつか鳴らすことができたらなという思いがありました。その第一歩が今スタートしたんじゃないかなと思っています。 ― では最後に、インドネシアと日本が好きな人達に向けてのメッセージをお願いします。 JAPAN EXPO INDONESIA、無事に終えることができました。お誘いいただいて本当にありがとうございます。今回のインドネシアでの公演があったからこそ、「次」に向かっていけるような気がしています。より一層自分たちがワールドワイドになるための、重要なきっかけになったと思っています。そんなきっかけをくれたインドネシアに、次はワンマンという形で来れたらなと思っていますので、そのときはぜひ遊びにきていただけたらなと思っています。どうもありがとうございました。 (取材協力: The Media Hotel & Towers )
丁寧に、それでいて確信を持って語るHaKUからは、今回のライブに手ごたえを感じている様子が伝わってきました。音楽性、世界観ともにワールドワイドな可能性を秘めているバンドです。これからの益々のご活躍を期待しています。ありがとうございました! 【HaKU】
辻村 有記(Vocal&Guitar) |
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