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ジャカルタのエンターテイメント#2:博物館  by  A.K.I

2016/04/12 10:40

ジャカルタのエンターテイメント#2:博物館
by A.K.I



 ちょっと空いた時間どこに行こう?ジャカルタに来た友人をどこへ案内しよう?日本のようにふらりと出歩ける環境でもないし、しばらくは楽しめたモールの散策も、そうこうするうちに新鮮さも薄れ飽きてしまい、時間を持て余してしまいがち。そんなことはありませんか?
 そんな時のお勧めの一つが博物館。名前に“MUSEUM”と付く建物が街中を車で走っていても結構目に留まりあれやこれや気になりますが、さまざまな博物館がある中から、インドネシアのアート・文化・歴史に触れられるお薦めの博物館をご紹介します。


1.国立博物館 / Museum Nasional / Museum Gajah



 独立記念塔・モナスと通りを挟んだ西向かいに、1868年タイ王国から贈られた象(Gaja)のブロンズ像が正面に置かれ、Gedung Gajah(象の館) / Museum Gajah(象の博物館) とも呼ばれる国立博物館があります。140,000以上のアイテムが展示されているというこの博物館。イスラムの影響を受ける以前のヒンドゥー・ジャワ文化時代の多数の石像や、インドネシア各地のバティック(染め)・イカット(織り)などの布、各エリア・民族の特徴的な民芸品や楽器・家屋、そして貴重な歴史資料ともいわれる、世界各地との貿易を裏付ける陶磁器のコレクションなど、インドネシア全土のありとあらゆる文化・芸術が集結しています。新館にはジャワ原人のコーナーや豪華な宝飾品の展示エリアもあり、定期的に企画展も行われているので何度行っても見飽きません。

住所:Jl. Medan Merdeka Barat No.12, Kota Jakarta Pusat
開館時間:【火曜-金曜】8:00-16:00 【土曜・日曜】8:00-17:00
休館日:月曜日・祭日
入館料:【大人】Rp 5,000 【子供】Rp 2,000 【外国人】Rp 10,000
*外国人でもKITAS(暫定居留許可証)等取得していれば一般大人料金になります。
HPhttp://www.museumnasional.or.id/index.html




2.繊維博物館 / Museum Tekstile / Textile Museum





 インドネシアの伝統工芸であるバティック(ろうけつ染め)の常設展や企画展もあり、イカット(織りの布の総称)含めインドネシアの特徴ある布を広く見ることができる布に特化した博物館です。特にバティックに興味のある人は、奥にある建物で製作体験もでき、小さいハンカチサイズのものであればロウ描きは1~2時間程度で完成します(その後染色・乾燥)。その魅力に取りつかれ頻繁に通って大作を作っているという人も。一度お試しあれ。

住所Jl. Aipda Ks Tubun No.2-4, Tanah Abang, Petamburan, Kota Bambu Sel., Palmerah, Kota Jakarta Barat
開館時間:【火曜-日曜日】9:00-15:00
休館日: 月曜日・祭日
入館料:【大人】Rp 5,000 【大学生】Rp 3,000 【学生】Rp 2,000
バティック体験:【一般】Rp 40,000 【外国人】Rp 75,000
HPhttp://museumtekstiljakarta.com/




3.プラサステイ記念墓地公園 / Museum Taman Prasasti / Museum of Memorial Stone Park



 日本的感覚では、墓地が博物館となるというのは少々不思議な感じも受けますが、行ってみれば納得。植民地時代バタヴィア市郊外にオランダ人により作られたこの外人墓地。キリスト像、マリア像、その他天使などのうっとりするような像がひっそりとお墓を見守っている、そんな不思議な空気感漂う美しいオープンエアーのミュージアムです。第2次大戦で戦没した日本人兵慰霊碑もあり(2001年修復建立)、この異国の地との歴史も感じます。

住所Jl. Tanah Abang I No.1、Kelurahan Petojo Selatan, Kecamatan Gambir
開館時間:【火曜-日曜日】9:00-15:00
休館日: 月曜日・祭日
入館料:【大人】Rp 5,000




4.ジャカルタ歴史博物館 / Museum Sejarah Jakarta / Jakarta History Museum





 コタのファタヒラ広場を囲む建物はオランダ統治時代に建てられた洋風の歴史的建造物で、今はさまざまな博物館として活用されています。広場南側にあるこの博物館は、1627年に建てられた旧市庁舎が姿を変えたもの。建造物保護のため入り口で渡されるスリッパ(こちら流にビーチサンダルです!)に履き替えて入館します。建造物もさることながら、当時オランダ総督が使用していた重厚な家具などが展示されていて歴史を感じます。精巧な細工が施されたそれら家具はとてもアーティスティックで優雅な気分にさせてくれます。

住所Jl. Taman Fatahillah No.1、Pinangsia、Tamansari、Kota Jakarta Barat
開館時間:【火曜-日曜】9:00-15:00
休館日:月曜日・祭日
入館料:【大人】Rp 5,000




5.絵画・陶磁器博物館 / Museum Seni Rupa dan Keramik / Fine Art and Ceramic Museum



 
次はファタヒラ広場東側に位置するこの博物館。建物は中庭を囲むように四角い構造で(国立博物館旧館も同様)、向かって左側の棟は絵画エリア。そこからぐるりと回っていき、右側の棟には陶磁器が展示されています。絵画では、チレボンで有名なLukisan kaca(ガラス絵)や、インドネシアの授業で必ず習うというRaden Saleh、Affandiなどの有名なインドネシア人画家の絵画もあり(一部複製)一度は見ておきたいもの。陶磁器は当時海外から持ち込まれたものから、インドネシアの各エリアごとの焼き物の展示があったり、国立博物館とはまた異なる趣の展示で興味深いです。

住所:Jl.Pos Kota no.2 (Taman Fatahillah), Jakarta Barat
開館時間:【火曜-日曜】8:00-15:00
休館日:月曜日・祭日
入館料:【大人】Rp 5,000




6.ワヤン博物館 / Museum Wayang





 引き続きファタヒラ広場の西側。かつてプロテスタント教会だったというこの建物は、インドネシア各地の各種ワヤン人形が集結したワヤン博物館に。時代背景の影響を受けたもの、宗教の影響が見られるもの、ワヤン・ゴレック(人形芝居)にワヤン・クリット(影絵芝居)etc、大小さまざまなな人形たちがずらりと並んでいます。間近で見るワヤン・クリット(クリット=皮)に施されている細工の繊細さは感動的です。ワヤン人形みならず世界中の人形劇用人形も展示されていて国ごとの違いも楽しめます。週末には伝統楽器ガムランの演奏と共にワヤンの上演もあります。

住所:Jl. Pintu Besar Utara No.27, Jakarta Barat
開館時間:【火曜-日曜】9:00-15:00
休館日:月曜日・祭日
入館料:【大人】Rp 5,000 【大学生】Rp 3,000 【子供】Rp 2,000

 

 ちなみに、ファタヒラ広場の北側は、こちらも歴史的建造物が活用されたご存知Cafe Batavia。博物館鑑賞に疲れたら、カフェ内装や窓からの広場の様子を楽しみながら優雅なティータイムはいかがでしょう。




7.海洋博物館 / Museum Bahari / Maritime Museum  



 最後に、コタから少し北へ足を伸ばし、スンダ・クラパ港へ続くパサール・イカンの手前にある海洋博物館。まず見えてくるMenara Syahbandar(見張り塔)の脇でチケットを購入。このチケットで併せて見学可能なこの塔にまず上ってから、通り沿い少し先にある海洋博物館を見学するのがおすすめです。かつては敵国帆船の襲来を監視していたという塔の上からは、スンダ・クラパ港そしてジャカルタ市内を一望できます。



 海洋博物館は、当時香料貿易で名をはせた東オランダ会社が、香辛料や陶磁器保管庫として建設した巨大な倉庫を活用。白い漆喰の壁は元バタヴィア城の城壁の一部で哨兵が巡回していたという通路も残っています(見張り塔の上からも見ることができます)。館内にはさまざまな船や航海機器、歴史上の人物のジオラマなどが展示されています。このだだっ広い倉庫が香辛料で埋め尽くされていたのかと思うと、そのスパイシーな香りに満ちた空間を想像すると共に、その貿易量の凄さが伺えます。

住所Jl.Pasar Ikan No. 1 Sunda Kelapa, Jakarta Utara
開館時間:【火曜-日曜日】8:00-16:00
休館日:月曜・祭日
入館料:【大人】Rp 5,000



 
<まとめ>
 以上、建物自体も含め素敵な博物館、いかがでしたか?なかなかインターネット上のサイトも見つからないというところも多く、情報収集もまたまた難しかったりもしますが、多くの博物館が月曜・祝日が定休日、開館時間が午後3時までと早めのところが多いということをまず覚えておくと、行ったのに入れなかったという事態はほぼ避けられるかと思います。
 なお、国立博物館新館など一部施設を除き、館内に冷房が無い場合も多く、時にはとても暑いので、折り畳みの扇子やペットボトル飲料を携帯するのがお勧めです。平日昼間などは、小・中学生が団体で見学に来ていることもよくあり、好奇心旺盛な子供たちに取り囲まれることもしばしば。写真好きなインドネシア人らしく、慣れてくると一緒に写真を撮ろうと言われたり、それもまた文化交流と思うと楽しみの一つとも言えます。
 今回ご紹介の他にも、警察博物館や銀行博物館など、興味によって探してみるとまだまだ面白そうな博物館が見つかります。博物館に足を運び、また違ったインドネシアの一面を知ると、日々の風景も少し違って見えてくるかもしれません。
 

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