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多様な宗教が共存する街ジャカルタ#2:中国寺院とヒンドゥー寺院  by  A.K.I

  • 7月22日(金)- 2016年

多様な宗教が共存する街ジャカルタ#2:中国寺院とヒンドゥー寺院
by A.K.I



  前回のモスクと教会に続き、訪れてみる価値ありなジャカルタにある中国寺院とヒンドゥー寺院、計5ヵ所をご紹介します。モスクや教会と比べると圧倒的に数は少ないですが、スカルノハッタ空港とジャカルタ市内を結ぶ高速道路から、屋根の上に龍の姿の中華式の飾りを見かけた方もいらっしゃるのではないでしょうか。ジャカルタ市内にも中国寺院が点在しています。そしてさらには、ヒンドゥー寺院がジャカルタに!?と驚きませんか?独特の神聖な雰囲気を醸し出すヒンドゥー教の寺院を見るにはバリ島に行くしかない、と実は私も思っていました。ですのでジャカルタにもあるということを知りびっくり。訪れてみるとそこだけが全くの異空間で、逆に言うと、ジャカルタに居ながらにしてバリ島の雰囲気を味わえるというお勧めスポットでもあります。


◆3.中国寺院(クレンテン):仏教/儒教

 インドネシアで独自の発展を遂げたと見えるクレンテンと呼ばれる中国寺院。仏教、道教、儒教が融合・混在し、釈迦、媽祖・関羽、孔子、と異なる宗教のいくつもの像が祀られていて、中国で見る寺院とも、日本の中華街にある寺院とも全く趣が異なります。


3-1.金徳院 / Kelenteng Jin De Yuan



 華人が多く住み、ジャカルタの他地域とは異なる雰囲気を醸し出しているGlodok地区。そこに1650年に建てられたというジャカルタ最大の中国寺院です。2015年3月、蝋燭の炎に起因する火災により本堂が全焼。2016年の旧正月にはまだ焼けたままの本堂脇に仮の祈祷場所が設けられ、それでもお参りに来る大勢の人々でごった返していました。現在再建中とのことで、来年の旧正月までに改修が間に合うとよいのですが。
 なお、ジャカルタではその歴史の流れから華人はややひっそりとしているという印象を受けます。世界各国に見られる華やかな門を構え賑わう中華街的なものは見られず、グロドック地区も中国的な市場や屋台などそれなりの特異な賑わいはありますが、中国寺院も表からは一見それとは分からないビルの中に祭壇を設けたような形式のものも見られたりします。

【住所】Petak Sembilan, RT.1/RW.6, Pinangsia, Tamansari, Jakarta Barat




3-2.Vihara Amurva Bhumi (Hok Tek Tjeng Sin)



 華人街からは離れ、南ジャカルタのサトリオ通りにある中国寺院です。道路沿いには看板があるのみですが旧正月の時期になると赤い提灯がずらりと吊られ一気に中国寺院な雰囲気が増します。その提灯の吊られる参道ともいうべき路地を通りしばらく行くとその奥まった空間に立派な寺院が突如として現れます。インドネシアでは中国語はその発音に基づく音が当てられているようで(点心のメニューなどにも見られる)、寺院の名前”Hok Tek Tjeng Sin”は”福徳正神”の音のようです。
 寺院の真っ赤な柱に彫られた龍をはじめとした中華風の装飾も見事ですが、ずらりと並ぶ赤い蝋燭の光の中祀られている神々の像を順に巡ってみるとなかなか興味深いです。旧正月には境内にステージが組まれバロンサイ(獅子舞)も見られます。

【住所】Jl.Prof.Dr.Satrio No.2 Karet, Jakarta Selatan




◆4.ヒンドゥー寺院:ヒンドゥー教

 インドネシアのヒンドゥー教といえばバリ・ヒンドゥーと言われるとおり、バリ島の土着宗教とも融合しインドのそれとは一味違った独特のものです。バリ島に行けば島全体寺院だらけでその神秘的で幻想的ともいうべき空気感が観光地としても人気を集める一因となっていますが、その独特なヒンドゥー教の寺院がイスラム教徒が9割を占めるジャワ島にもあるのです。
 かつてはマジャパヒト王国というヒンドゥー教王国の時代があったジャワ島ですから、ジョグジャカルタ界隈、プランバナン寺院遺跡群のような古の歴史を感じさせるヒンドゥー寺院遺跡はあるとして、現代のジャカルタに見られる寺院は、ジャカルタに暮らすバリ人を中心としたヒンドゥー教徒がその拠り所として建立した現在進行形のヒンドゥー寺院(Pura:バリ語)です。


4-1.Pura Chandra Prabha Jelambar



 私自身初めてジャカルタでヒンドゥー寺院に行ったのは、ヒンドゥー寺院最大の年間行事である創設記念祭・オダランがあると聞いて。この寺院、西ジャカルタの民間集落の中にあるのですが、ジャカルタのイスラム色濃い見慣れた風景の中に、突如そこにバリ島が出現した、そんなイメージでかなり衝撃的でした。特にオダランには地域ヒンドゥー信者がこぞって正装でお祈りにやってくるので一帯が全くジャカルタとは思えない空間になります。
 バリ島では最も神聖な一番奥の境内にはお祈りをするヒンドゥー教徒以外は入っては行けないと言われたりしますが、ジャカルタのヒンドゥー寺院では正装をしていればOKとのことで一緒にお祈りをさせてくれました。島全体がヒンドゥー色溢れるバリ島とは異なり、ムスリム色濃いジャカルタの地域社会に馴染むべく柔軟な変化が多少見られるようです。

【住所】Jl. Indraloka Raya No.1, RT.8/RW.10, Jelambar, Grogol petamburan, Jakarta Barat




4-2.Pura Penataran Agung Taman Sari


 

 こちらは、東ジャカルタのハリム空港近くにあるヒンドゥー寺院です。少し静かな田畑に囲まれたそのエリアだけが隔離されたかのように異彩を放っています。入口にどんとそびえ立つ割れ門も圧巻です。ジャカルタにいるのだということを忘れてしまいそうな空間です。ここでもオダランには大勢のヒンドゥー教徒がやってきて、普段身近に接することがほぼ無いのに、いったいジャカルタのどこにこんなにもたくさんのヒンドゥー教徒がいるのだろうかと驚きます。

【住所】Jl. Pura Agung Taman Sari, RT.1/RW.13, Halim Perdana Kusumah, Makasar, Jakarta Timur
 



4-3.Pura Amerta Jati



 最後にもう一つ、ジャカルタを少々抜けて西ジャワ州デポックにあるヒンドゥー寺院です。こちらもオダラン情報を得て行ってみたのですが、次から次へとバスで乗り付ける信者の団体がお供え物を持ってひっきりなしにお祈りに境内へと入っていきます。やや広範囲から人々が集まってきている印象を受けます。日常的に訪れても寺院のインパクトはなかなかのものですが、夜通し正装をした人々がお供えをもってお祈りに訪れるオダランの日には特に独特の雰囲気を味わうことができます。



*ヒンドゥー教寺院をオダランの時に訪れる場合には、ヒンドゥーの正装に準じた恰好で訪れるのが望ましいと思われます。女性は、クバヤというレースのあしらわれた伝統的なブラウスにサロン(腰布)・スレンダン(帯、腰紐)、男性はサバリという襟付きシャツにサロン・スレンダン・サブ(重ね用の腰布)と頭にはウダン(頭巾)というスタイルですが、無ければ女性は白シャツ・細身のロングスカート・腰に巻けるような細長いスカーフ等、男性は白シャツ・黒ズボンあたりが無難かと思われます。

【住所】Jl. Punak, Pangkalan Jati, Cinere, Kota Depok, Jawa Barat




まとめ
 改めて地図を見てみると、まだまだあちこちにこれら寺院が見つかります。ジャカルタにある中国寺院やヒンドゥー寺院を巡ってみるというのも異空間が体験でき新鮮な発見があるかもしれません。
 なお、寺院は本来はお祈りをするための場所ですので、お祈りに来ている人の妨げにならないようにということは言うまでもなく、写真を撮っても問題はないか、境内どこまで入っても良いのか、望ましい服装やお祈りの作法がわからなければ尋ねてみるなど、勝手な判断ではなくその文化を尊重する気持ちが大切だと思います。外国人が日本の文化に興味を示してくれることを我々日本人が好ましく感じるように、現地の人も快く答えてくれるでしょう。
 インドネシアでしか体験できない独自な寺院、是非一度訪れてみてください。前回記事『多様な宗教が共存する街ジャカルタ#1:モスクと教会』も合わせてご一読ください。 


 

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