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専用レーンを走るバス“Transjakarta”に乗るには by A.K.I 2015/10/19 18:00 |
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専用レーンを走るバス“Transjakarta”に乗るには by A.K.I ジャカルタ市内での移動の際、日本からの赴任者は多くの場合、安全確保の意味も含めドライバー付きの専用車で移動するのが一般的ですが、なんらかの事情で専用車が使えない時にはどうされているでしょうか? まず思い浮かぶのはタクシー。数あるタクシー会社の中から、安全と言われている数社を選んで乗れば特に問題は無いようですが、それでも中には遠回りされたり、不当な料金請求を受けるケースも耳にはしますし、私個人的には、まだ言葉もままならず土地勘がない段階では、どこに連れて行かれても何が起こっても、密室状態で助けを求めるのが難しいタクシーに乗るのは少々不安な気もします。 そこで利用しているのが、専用レーンを走るバス“Transjakarta”。人によっては、Transjakartaに乗る方がタクシーよりよっぽど勇気がいる!と言われるので、こればかりは個人の感覚と判断によりますが、固定料金で、運転手だけでなく車掌とその他乗客の目があり、路線が決まっているということが、私にとっては気分的安心材料です。 不特定多数の人々が乗車する乗り物は、基本的には危険度が高いと考えられますが、 Transjakartaがスリや強盗の巣窟と言われるMIKROLETやKOPAJAといった乗り合いバスと異なる点は、停留所に入るのに改札口があり、乗車カードが無いと中へは入れないので、乗り込む人がやや限られること。また、停留所のプラットホームに合わせて、車体のドアの位置は路面より高く、さらにはエアコンが効いているので走行中ドアが閉じられているという点です。 日本の感覚から言うと、ドアを閉めずにバスが走っているなんてことは想像もつきませんが、現地のネイティブでも危険だと言うKOPAJA等のバスは、エアコン無しで走行中もドアがあけっぱなし。停まっていると、物を売る人やウクレレをかき鳴らす人など様々な人々が自由に乗り込んでは降りていくので、そういった流動的な人の出入りのないTransjakartaが比較的安全というのはうなずけます。もちろんTransjakartaでもスリ発生のニュースを聞くこともありますが、考えてみれば頻度の違いは多少あれど、日本の公共交通機関でもそういった被害はゼロではないでしょう。 そんなTransjakarta。実際に乗車する際の様子を、注意すべき点も交えご紹介します。 1.Transjakartaの路線は? まずは、路線図を確認してみましょう。目的地近くに停留所が無い場合には、結局最終的にはタクシー利用ということになってしまいますが、路線は2004年の運用開始当初からすると少しずつ増えていて、利用できる場所が結構あります。 出典:Transjakarta公式サイト http://www.transjakarta.co.id/index.php 2.停留所はいったいどこに・・・? Transjakartaの専用レーンは、道路両車線を挟んだ中央に敷かれています。道路中央に小島のようにぽつんと点在している屋根つきのエリアを車窓から見たことがあるかと思いますが、それがTransjakartaの停留所です。道路両サイドから、停留所へつながる専用の歩道橋を通って向かいます。この歩道橋、場所によっては、とーっても長いです。 道路上でのTransjakarta専用のレーンは、一般車両の車線とはブロックで仕切られているので、渋滞にも巻き込まれずに走行できるというメリットがあります(実情としては、渋滞になるとこの専用レーンに侵入し走行するルール違反の車やバイクが続出し、やむを得ずのろのろ運転となってしまうこともよくあるのですが)。 また、メイン道路(Jl. M.H. Thamrin ~Jl. Jenderal Sudirman)はラッシュの時間帯(7:00 -10:00 / 16:30 – 19:00)にThree in oneという車両乗り入れ制限(3人以上乗車していない車両はこの道路に乗り入れできない)がありますが、その制限にもひっかからないので、自家用車で移動するよりも、人数・時間帯を気にすることなく場合によってはよりスムーズに移動できます。 3.気になる乗車料金と運行時間 券売窓口は、道路脇からの歩道橋を上り、降りてきたプラットホーム手前にあります。以前は切符だったそうですが、今は日本のPASMO・Suica・ICOCAのようなICカードをまず購入します。初期購入時は、1枚Rp.40,000で、Rp.20,000がデポジット、Rp.20,000分が乗車に使用可能です(2015.7購入時)。以降、この窓口でカードへのチャージもできます。 運賃は、どこまで乗っても、路線を乗り換えても一律Rp.3,500。運行時間は5:00~23:00と早朝から深夜まで。公式サイトによると朝5時~7時の運賃は、早朝割引でRp.2,000になります。 時刻表は存在しないので、運が良ければすぐに乗車できますが、ついてない日は車両がやってくるまでひたすら待つしかありません。ですがこれは、時刻表があってその時間通りきっちり運行されている日本の方が逆に、世界的に見ても珍しいのかもしれません。 4.改札を通ってプラットホームへ 改札はタッチ方式です。乗車カードをタッチすると、回転バーが動くようになり、バーを押して改札内に入ることができます。タッチパネルにはカード残高が表示されるので、チャージタイミングのチェックも可能です。 プラットホームには、進行方向と路線図が掲示されていてわかりやすいです。まずは、乗る方向に間違いはないか行き先を確認しましょう。 5.路線乗り間違いに注意! 進行方向は容易に確認できるものの、停留所によっては、行き先の異なる複数系統のバスが停車するところもあります。やってきた車両が目的地へ向かうものかどうか、乗車前の確認は重要です。路線ごとに車体の色が違うことで見分けがつく場合や、車両の前後または側面に電光表示がある新しい型の車両もありますが、瞬時の確認はなかなか困難なので、乗降口にいる車掌が停車ごとにアナウンスする行き先をよく聞くか、心配な場合には、目的の停留所に止まるかどうか、都度車掌に尋ねるのが確実で手っ取り早い方法です。 6.Transjakartaではない乗り入れ車両に注意!! 乗車時には、車掌が告げる行き先だけでなく、その車両に“Transjakarta”“tj”またはそのロゴが記載されていることを必ずご確認ください! Transjakartaの停留所に、“EXECUTIVE”と記されたKOPAJAが運行している急行バスが乗り入れています。“EXECUTIVE”に乗ってしまうと、乗車後に料金も上乗せで支払いが必要なうえ、途中で路線からはずれて別ルートに行ってしまうので、知らずに乗るとかなり焦ります(実体験より)。乗車は、Transjakartaのプラットホームの高さに設置されたドアからですが、降車時の道路側のドアは通常の路上から乗る高さにあり、左右段違いにドアが設置されている特別仕様のこのバス。こちらも使いこなせると便利なのかもしれませんが、意図的に利用するのでない限り、お間違いの無いようまずは車体のチェックをお勧めします。 7.車内の様子は? 車内は前述のように、エアコン完備で快適です。シートは日本のように布張りではなく、やや硬いですが熱帯の国に適した仕様です。車内での飲食は禁止。ペットの同乗や、匂いが強烈なドリアンの持ち込み禁止という南国ならではの表示もあり、車内は綺麗に整備されています。 また、イスラームの習わしもあるのか、日本のような時間帯による制限ではなく、常に車両前方は女性専用エリア‘Ruangan Khusus Wanita’となっていて、女性にとってはかなり安心。前方の乗り口には女性用待機列‘Antrian Wanita’と記載がある停留所も見かけましたので、男性は乗車時にはご確認を。 また、体の不自由な人や小さな子供が乗車してくると、席を譲るようにと車掌が誘導するのを見かけます。先に座っていた人も当然のことのようにすぐに応じ、弱者への配慮はイスラームの教えに起因するものと思われますが、このようなことが自然にできる風習は見習いたいところです。 8.乗り換えと下車について 乗り換えも表示がとてもわかりやすいです。車内アナウンスでも乗り換えの案内があります。新しいタイプの車両では放送で、古いタイプではここでもまた車掌による口頭でのアナウンスです。乗り換える時には改札からは出ず、再び歩道橋のような通路を通って他路線プラットホームへと移動します。乗り換えても追加の運賃は発生せず一律です。 下車する場合には、出口側の改札の回転バーを押してそのまま出ればOKです。 乗ってみるとなんということもなく意外と普通です。ただし、庶民の足である公共機関に外国人が乗るとやはり少々目立ってしまうことは否めませんので、利用時には極力目立つ格好はしないこと。服装は着飾った格好ではなくラフな格好で。アクセサリーも控えめに。これを機に、一般的な人々がどのようないでたちをしているかじっくり周囲を注意深く見てみるのも、実情をよく知るきっかけとして良いかもしれません。 カバンは念のためたすき掛けできるものなどしっかりとホールドできるものを利用し、またラッシュの時間帯や暗くなってからの利用はできるだけ避ける、など最低限の注意は言うまでもなく必要です。 ジャカルタ在住歴の長い知人は、言葉も堪能で、バイクタクシーを利用したりもしているそうですが、状況が正確に把握できるくらいに慣れるまでは、危険を冒さない範囲内で活用できるものを見つけて、せっかくのジャカルタ滞在、行動の幅を広げていきたいものです。 |
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